年が明け、最後の教習から2週間が経った。
転倒で怪我した肩はまだ痛いが、バイクの運転ぐらいなら支障がない程度にはなった。
さて、転倒はしたがなんだかんだ言っても順調で、この歳で2時間オーバーで卒検を迎えられたのは奇跡かもしれない。しかし相変わらず自信が持てない。果たして受かるだろうか。
前日YouTubeで卒検合格のポイントを見まくりおさらいした。一夜漬けだ。
そして当日。順番は1番。緊張はMAX!コースを間違えてもやり直しができ、減点にもならないという。
しかし間違えたくない。繰り返し頭に叩き込んだ。
…つもりだっったがいきなり、S字に入りそびれて通り過ぎた。手を上げ指示に従いぐるっと回ってS字からやり直し。
ここで焦ってはいけない。気を取り直してとにかく無心でコースを走った。完璧を目指さなくてもいい。ギリギリ合格点に達すればいいのだ!
その後、踏切でエンスト。急制動は規定の40km/h出ていなかったかもしれない。スラロームはニュートラルに入っていまい後半は惰性で乗り切る。
ああダメかもしれない。5人全員終わるまでなんと長く感じたことか。
終了後、教官から案の定スピード不足やエンストのことを指摘された。そして発表まで控室で待機。約一時間。半ば諦めていた。
発表!
教官が現れおもむろに「発表します。全員合格ですね。おめでとうございます。では手続きの説明をします…」
さらっと言われたので一瞬キョトンとしてしまった。だがじわじわと喜びが湧き上がる。こんな感情は何十年ぶりだろうか。大学入試以来か。(40年近く前)おそらく減点がギリギリ不合格ラインを超えなかったのだろう。
だがもう点数なんてどうでもいい!受かったのだ!これでライダーまであと一歩!
にやけて緩んだ顔で帰路についたことは言うまでもない。
単身赴任のため家族に直接喜びを伝えられないのが残念だった。